(著者より)
「食と健康」をテーマにした本はたくさんあります。でも、「住まい」が食と同じくらい健康に直結していることを解説している本はあまり見かけません。日々住宅の仕事に携わりながら、「住み心地」の良い家の研究を続ける中、私には、いくつかの発見と気づきがありました。
例えば「室内空気」。おいしい水や健康食品にこだわる方は多いですね。しかし、水や食品以上に毎日15kg(成人男性の場合)も体に摂取する室内の空気にこだわる方はあまり見かけません。室内の空気が悪いと、カビ・ダニの発生からアトピー症皮膚炎になったり、花粉症でぐっすり眠れない家にお住いの方もいらっしゃいます。
そして「室内の温度」。靴をぬぐ素足文化の日本であるにも関わらず、冬冷たい床。夏は冷房に頼り過ぎる生活のために、「冷房病」で夏場つらい思いをしていらっしゃる方も大勢います。さらに、家の中に存在する温度差(ヒートショック)が原因で多くのお年寄りが毎年亡くなっています。お年寄りでなくても、このような家に長く住み続けていくことがいかに体にダメージを与えて蓄積していくのかを伝えなくてはならない…そういう思いから一冊の本にまとめました。
医療費の増大が社会問題化する中で、「予防医学」いかに「人を病気にさせないか」というテーマは医学会だけでなく、わが国の政治の世界でも55人の国会議員連盟設立(2008年7月)という動きになって本格化しています。今回、「住と健康」をテーマにした本書をきっかけに少しでも長く健康安心して暮らせる住まいの実現に貢献できたらこれ以上の幸せはありません。
(本の内容)
「夏、暑くてエアコンなしでは過ごせない。」
「梅雨、じめじめと湿気てカビが生える。」
「冬、暖房しても顔が熱くて足下が冷たい。窓の結露がひどい。」
こんな経験はありませんか?今まで見過ごされてきた家の「住み心地」は、あなたの健康に大きな影響を与えています。外の環境は、大気汚染、異常気象、社会的なストレスでいっぱいです。家族の健康を預かる主婦、育ち盛りのお子さんはもちろん、家にいる時間が一番短いビジネスマンでさえ、寝る間人生の三分の一は家で過ごすのです。家は心身ともに癒される場所であって欲しい、だれもがそう考え家という人生で一番大きな買い物をします。でも、新築を建てるときにはこの「住み心地」は見過ごされ、住んでから初めて気が付くのです。もっと「住み心地」の良い家にすればよかったと。まさに、病は家から。今、住む人を本当に癒してくれる「住み心地」の良い家が求められています。最新の医学研究によっても病気の原因が慢性疾患の場合、住環境を改善しないと根本治療ができないことから、住み心地の良い家は「心身ともに健康を増進してくれる」ことも裏付けられつつあります。
この本では家族が健康に暮らす家にするにはどうしたら良いのか?見えない住み心地を見極めるキーワードから「理想的な健康住宅」を探求し、著者の建築の経験から具体的な建築方法まで言及しています。また実際にモデルハウスで計測したデータを公開し、見えない「心地よさ」を解説しています。
「住み心地」の良い家に住む、お医者さんなど、住まいと健康に意識の高い住人たちの声も全国から集まりました。これからは「住み心地」の時代へ。住む人が「住み心地」にもっともっと目を向けていけば、本当の意味での健康住宅が増え、より健康的な社会を目指せるのではないでしょうか?
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